イベント記事

■Event Report

J-REITが集結するIRの祭典 J-REITファン2017

工夫を凝らした企画が来場者の認知・理解を深める

 

 

1月28日(土)、東京証券取引所の東証ホールなどで「J-REITファン2017」が開催された。これは、東京証券取引所(日本取引所グループ)と日経ラジオ社、プロネクサスが主催するJ-REIT(不動産投資信託)に関する個人投資家向けの投資イベント。「個人投資家の皆様にJ-REITを知っていだたく場を提供させていただきたく、『J-REITのファンになってもらう(fan)』『J-REITの投資を楽しんでもらう(fun)』」がコンセプトだ。

J-REIT(投資法人)14法人と証券会社1社、それに主催者である東証とラジオNIKKEIがブースを出展した。出展各社のIRセミナー(プレゼンテーション)はもちろん、専門家による講演やトークセッション、メディアでお馴染みのキャスターやFPたちによるIR担当者へのインタビューなど、工夫を凝らした企画内容が大きな特徴だ。また、無料で軽食を提供したり、スタンプラリーによるプレゼントなどもあり、来場者は「J-REITのファンになってもらう」「投資を楽しんでもらう」というコンセプトを十二分に体感できたようだ。

J-REITは時価総額が12兆円を超え、個人の資産運用における中核商品に成長し、J-REITは広く投資家の注目を集めている。トランプ大統領就任によって米国経済の舵取りがどうなるのか、それが日本の経済や不動産市場にどのような影響を及ぼすのか。講演やトークセッションでは、そのあたりが中心テーマとなった。タイムリーな話題が多いことから、来場者によって得るものが多い投資イベントになったようだ。

 




 


 

【基調講演】
Jリート投資の魅力と押さえておきたいポイント

東京証券取引所 上場推進部
山中 孝太郎氏

 

J-REIT市場の時価総額は12兆円を超えるマーケットに成長

「J-REITファン2017」には14のJ-REITに参加いただいております。今日はこれから各J-REITのセミナーでお話を聞いていただける他、J-REITブースも出展されておりますので、その際に参考となる基本的な情報についてお話させていただければと思います。①J-REITとは何か②J-REITの見方を理解する③J-REITの市場動向と押さえておきたいポイントという3つの視点からお話しします。

J-REIT市場の時価総額は12兆円を超えており、東証第一部、第二部と並ぶ主要なマーケットに成長しています。1月28日現在で57銘柄が上場しており、2月7日には森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)が上場する予定です。

 

J-REITは不動産の賃貸業に特化した会社


東京証券取引所 上場推進部 山中 孝太郎氏 

先ず、①J-REITとは何か?ですが「J-REITは不動産の賃貸業に特化した不動産会社(投資法人)」とイメージしていただければと思います。実際に業務を行うのは資産運用会社ですが、J-REITはこの資産運用会社に運用を委託し、広く投資家から資金を集め、オフィスビルなど様々な不動産を取得し、賃料を源泉とする分配金を投資家に還元します。このように小口で不動産に投資できるその仕組みは極めてシンプルということができるでしょう。

 

魅力的な分配金利回り

金融商品としての魅力を考えてみます。J-REITの分配金利回りが魅力的な水準を維持しているのは、不動産賃料を源泉にしているからです。そして、税制。一定の要件を満たしたJ-REITは税引き前に分配することが可能になっています。つまり、通常の事業会社は法人税を支払った後に投資家へ配当しますが、J-REITは収益の大半を投資家に分配できる分、分配金利回りが高くなるのです。その結果、一部上場会社の平均利回りは1.71%ですが、J-REITは3.52%と相対的に高くなっています(2016年12月末現在)。

J-REITは個別株式と同じように証券会社を通じて売買できます。上場株式と同じように各銘柄には4桁の証券コードが付いています。注文方法・売買ルールも株式と同じです。

J-REITの魅力について、分配金利回りが魅力的であることに加えて、手軽に不動産に投資できることがあげられます。実物不動産に投資するには、多額の資金と時間がかかりますが、J-REITは比較的手の届く金額で投資できます。2017年1月28日現在の投資口価格を見ると、いちばん安い銘柄の投資口価格は52,700円、高い銘柄で661,000円となっています。すべての銘柄が100万円以下から購入できますので、非課税投資枠が120万のNISA口座も活用できます。

 

J-REITの投資判断の尺度で比較検討を

次に、②J-REITの見方を理解する。ですが、J-REITの分析や評価にはさまざまな方法があります。株式投資におけるPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)と同様に、J-REITの投資口価格を評価する「NAV倍率」や「FFO倍率」などの投資判断の尺度があるのでご紹介します。

NAVとは、Net Asset Valueの略で、不動産の時価に基づく純資産価値をいいます。投資口価格を1口当たりのNAVで割ることで、J-REITの純資産価値と比較した投資口価格の水準を捉えることができます。株式投資のPBRに似ています。一般的に、NAV倍率が1倍を超えると、J-REITの価値を市場が実際よりも高く評価している(=割高)ということになります。FFOとは、Funds From Operationの略で、不動産の賃貸純収入をいいます。株式投資のPERに近い指標です。投資口価格を1口当たりのFFOで割ることで、J-REITの収益力と比較した際の投資口価格の水準を測ることができます。
J-REITの財務状況を分析する際は、財務の健全性を判断する「LTV」などの指標が参考になります。

 

配当込みの指数で比較すると東証REIT指数はTOPIXを大きく上回る

最後に、③J-REITの市場動向と押さえておきたいポイントをご案内します。
J-REITは分配金利回りが高く安定的に推移していることから、インカムゲインも踏まえたトータルリターンを把握することも大切です。

配当なしの東証REIT指数とTOPIXを比較した場合は大きな差がありませんが、配当込みの指数で比較した場合には東証REIT指数はTOPIXを大きく上回っていることが分かります(下表参照)。安定的な分配金はJ-REITに投資する上でのポイントとなります。

■東証REIT指数とTOPIXの推移比較(2001年9月〜2016年12月)
東証REIT指数とTOPIXの推移比較(2001年9月〜2016年12月)グラフ

J-REITはアセットタイプごとに利回りや特徴が異なりますので、それぞれの特徴に着目することも有用です。今回は「オフィス」「住居」「商業施設」「物流施設」「ホテル」「ヘルスケア施設」の6種類に分けてご紹介します。

 

<主なアセットごとの特徴>

 

【J-REITトークセッション】キーワードで丸わかり! 2017年のJ-REIT >>>

 

取材・執筆:K-ZONE (掲載日:2017年3月10日)

 

 

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